全線再開について

くま川鉄道は、令和8年(2026年)9月20日、人吉温泉駅から湯前駅までの全線24.8kmで運行を再開します。
令和2年7月豪雨で被災してから、6年2か月。あの日途切れた球磨の線路が、ふたたびひとつにつながります。

豪雨災害からの6年間

あの日、球磨川が線路を奪った

令和2年(2020年)7月4日未明。記録的な豪雨で球磨川が氾濫し、くま川鉄道湯前線は壊滅的な被害を受けました。
球磨川第四橋梁が流失し、車両基地は濁流に沈みました。
「観光列車仕様の「田園シンフォニー」の全車両が水没。被害総額はおよそ46億円。」
全線運休という現実を前に、私たちは言葉を失いました。

令和2年7月豪雨で被災したくま川鉄道の車輛

それでも、走らせたかった

けれど、この鉄道は「通学の足」でした。
沿線の高校生たちが、毎朝この列車に乗って学校へ向かっていました。
あの子たちを待たせるわけにはいかない——その一心で、復旧は始まりました。

令和3年(2021年)11月28日、肥後西村駅から湯前駅までの区間で部分運行を再開。
人吉温泉駅までは代替バスでつなぎ、生徒たちの毎日を守り続けました。

懸命に復旧作業を行うくま川鉄道の社員の姿

全国から届いた、たくさんの励ましの声

復旧の道のりを支えてくださったのは、全国のみなさまでした。
つり革オーナー制度に寄せられた思い、ふるさと納税、応援メッセージ、そして「また乗りに行くよ」という一言。
一度も球磨を訪れたことのない方からも、たくさんの励ましが届きました。

流された橋を架け直すのは、鉄道会社だけの力ではできません。
国、熊本県、沿線市町村、地域のみなさま、そして遠くから見守ってくださった方々。
その全員の力が、この6年をつないできました。

全国からの温かいご支援の声

そして、つながる

令和8年9月20日。人吉温泉駅から湯前駅まで、全線での運行が再開します。
この日を機に、川村駅は場所を移し、「相良十島駅」へ、「東多良木駅」は「多良木青蓮寺駅」へと駅名を改め 、新しい歩みが始まります。

また、豪雨被害で橋脚が流された第四橋梁も新しい球磨川第四橋梁として、2026年7月に建設工事が完了(新設)しました。
球磨川に沿って、田園の風を受けながら走る列車。おかどめ幸福駅の朝、そして湯前から望む市房山。
車窓に流れるその景色は、6年前と変わらずそこにあります。

変わったのは、この景色をもう一度みなさまにお見せできるという、私たちの喜びです。

あの豪雨災害のその先へ。くま川鉄道は、また走り出します。

新しく整備されたくま川鉄道の橋